DMOという言葉。
恐らく多くの方が聞きなれない言葉ではないでしょうか。
観光庁は、DMOを「観光地域づくり法人」と呼んでいます。
そういわれても、正直あまりピンと来ないですよね…
簡単に解釈すると、「行政・民間企業・地域住民が一体となって観光地域づくりを推進していく組織」と捉えられます。
ただ、実は日本版のDMOは失敗事例が多いです。
理由として、ズバリ補助金への依存が最も大きな理由となり失敗に繋がっています。
補助金への依存を断ち切り、事業によって真のDMOを成功させることが出来れば失敗から脱出できます。
結果的に、地域を活性化させることが出来るはずです。
DMOを成功させることが出来れば観光業によって本格化な地方創生の実現も可能となると考えます。
国内観光産業でのDMOはなぜ失敗する事例が多いのか
DMOという言葉は、「Destination Management Organization 」の略称です。
察しの良い方はお気づきかと思いますが、元々は海外から来た言葉なのです!
元々海外で成功したことによって日本に運ばれてきたDMO。
しかし、残念なことに実際日本では失敗事例が多いのです。
海外で成功したのに日本では失敗に終わってしまう理由はどこにあるのでしょうか?
答えは日本のDMOと海外のDMOで性質が異なることに原因があります。
①補助金に対する依存
本来欧州で成功したDMOですが、欧州では民間企業が主体となってDMOを形成しています。
民間企業は利益を生み出すことが仕事であり至上命題です。
なぜなら利益を生み出さなければ存続する事が出来ないためです。
そのためDMOとはいえ、利益を生み出すことを至上命題として掲げ、結果として成功を生みました。
しかし日本の多くのDMOは現状行政からの補助金によって成り立っています。
そのため極論、必死になって利益を生まずとも存続ができます。
ここが欧州との大きな違いとなり、失敗事例が増える要因となっています。
あなたも仕事をせずともお金を貰える環境にいたら恐らく仕事はやらないのではないでしょうか?
少なくとも私は恐らく働く事を辞めます!
補助金は非常に有難く成功の起爆剤ともなりえますが、諸刃の剣だという考え方もできますね。
②行政中心の組織体制
日本のDMOは多くが行政が中心となって運営されています。
補助金が主な財源となっているので何となくでも想像がつくかと思います。
対して欧州のDMOは基本的には民間企業が中心となってDMOを組織しています。
民間企業は、利益を生み出すことに注力している事が分かりましたが、ここでも民間と行政の違いが分かりますね。
行政が中心となってしまっているのはやはり主な財源が補助金であることに原因があります。
会社で社長や役員の権限が強いのはお金を出す権限を持っているからですよね…
DMOも同じです。
お金を出す人には弱いのです。
つまり行政に嫌われると補助金が出ません。
この仕組みが、日本のDMOで民間企業が中心になりにくい元凶とも言えます。
③専門人材の不足
データを収集・分析する人材の不足も大きなハンデとなっています。
昨今デジタル人材の不足が問題として耳にするのではないでしょうか?
また、デジタル人材の不足のみではなくマーケティングの力も不足しています。
事実、マーケティングを積極的に取り入れているのは消費財、メーカ、飲食業が多いです。
観光でマーケティングという言葉を耳にすることはあまり多くないですよね。
いいものを作ればモノが売れる時代は終わったと言われて久しいですが、同じく観光業も魅力的な観光資源があれば観光客が来る時代はとうに終えているのかもしれませんね。
戦略的に観光客を集客できる力が必要とされています。
国内観光地でDMOの求人はある?どんな職種が多い?
日本のDMOが失敗が多いと聞くと求人があるのか不安になりますよね。
実際DMOに所属して自らDMOを成功させたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論、DMOでも求人はあります。
求人サイトでは、主に観光協会や観光局といった行政に由来する組織が多いです。
日本のDMOは行政が中心となっていることが分かったので、中心となって活動されたい方にはおすすめできる職場と言えそうですね!
また、地方創生を主目的としたベンチャー企業でも多く求人を行っているようです。
利益を生み出して初めて観光業として成り立つのはもうお分かりいただけたと思います。
そのため、まずは利益を生み出す仕組み・ノウハウを民間企業でまずは身に付けたいという方にはおすすめできる職場となりそうです。
瀬戸内は観光地のDMO成功事例として国内で有名!
中国地方にある瀬戸内ですが、実は日本のDMO成功事例として有名な場所です。
どのような戦略を取り成功させたのでしょうか?
①インバウンド客に注目
インバウンド客は今後国内の観光産業を発展させていくために不可欠な存在です。
インバウンド客は長距離を移動して観光地までやってきます。
そこで県単位ではなく、広域的に連携を取り観光客を集客するという手法を取りました。
②マーケティングを活用
観光客が観光地に足を運ぶ過程を分解して考えました。
いわゆるファネル分析を応用した考え方ですね。
知る→検討→予約→訪問→シェアする
という流れを意識して観光客の集客に取り組みました。
③外部の専門家を頼る
観光業におけるマーケティング的な視点は日本ではまだまだ浸透していません。
そこでイギリスのマーケティング会社を頼りDMOの活動を進めていきました。
やはり何事も単体で行おうとすると限界があるものですよね。
身近な例では、三人寄れば文殊の知恵と言う言葉ありますよね。
DMOでも多くの人・組織で考えることによってより広く様々な角度から物事を考えることで成功事例となったのですね!
まとめ
- DMOとは「観光地域づくりを推進していく組織」の名称
- 日本のDMOは海外の事例と異なり失敗が多い
- 失敗が多い要因は民間・行政どちらが主体となっているかが大きい
- DMOでの求人は多くあるので志のある人が挑戦できる環境がある
- 瀬戸内は日本のDMOとして成功事例となっている
これから観光産業は日本で大きな産業としてより発展していく事が期待されています。
そんな中でDMOは必ず全国的に失敗を乗り越えて、成功させていくことが求められます。
今後観光業で地方を発展させていくためにも不可欠な組織であることは間違いないですね!
正確な段取りを踏み、現在の課題は少しずつでも解決していくことは避けられません。
現状の課題を克服し、より観光産業の発展に繋げていきたいです。